世界ナンバー1シェアの旅行ガイドブック、ロンリープラネット。
「ナゼこんなところに外国人が?」
の疑問に答えるべく、彼らが使うlonely planetを研究しています。
今回ピックアップしたのは、東京からほど近い神奈川県の鎌倉。
観光コンサルタントとしても、何度か訪れている、好きな観光地です。
三方を低い山で囲まれ、海に面している地を活かし、かつては幕府が置かれ政権の要の地でしたね。
地域内に数多くの歴史遺産を持つ「古都」として親しまれています。
そんな背景もあることから、以前より外国人観光客がよく訪れる地の一つです。
鎌倉市の象徴ともいえる「鶴岡八幡宮」をはじめ、鎌倉の大仏、長谷寺、国宝建造物である、円覚寺と見所満載です。
これらの中に、源頼朝を歴史的快挙に導いたという伝説から 「最強の出世稲荷」 と呼ばれる、佐助稲荷神社があります。
今回はこの佐助稲荷神社を巡ってみます。
映画「海街Diary」に登場。
映画「駆け込み女と駆け出し男」の物語の舞台としても登場しました。
鎌倉市農協の鎌倉中央食品市場に立ち寄り、細い道を抜けていくと、住宅街に出ます。
ちょっと不安になりますが、近くに銭洗弁財天もあることもあり、多くの人が歩いています。
多くの人が銭新井弁天に向かいますが、分かれ道ではあえて人の少ない方を選択します。
そこに現れるが赤い鳥居。
なんと麓のお宅は観光コンサルタントの私と同じ、「石田さん」でした。
ご利益も変えた、源頼朝が建立
社伝では、平治の乱の後、伊豆に流された源頼朝。
「いつかは平家を滅ぼす」を誓い、鍛錬を続ける日々を送っていたある日。
当社の神霊、稲荷神が夢に現れ「平家打倒の兵を挙げろ」と告げたと言います。
これに従った頼朝は見事に平家を倒し、鎌倉幕府を開いたのです。
戦いに勝った御礼として、社殿を建立し稲荷神を祀りました。
一説には“佐殿”と呼ばれていた頼朝を助けたことから「佐助」の名が付いたも言われています。
お稲荷様と言えば、一般的には農作物の稔りをもたらす神様とされていますが、佐助稲荷神社では頼朝が成功を成し遂げたことから、出世運・仕事運アップとしての信仰もあります。
当時は鶴岡八幡宮の境外末社でしたが、明治42年(1909年)に独立しました。
白い狐の恩返し
お稲荷様と言えば“狐”ですね。
境内には、狛犬ではなく狛狐が並んでいます。
佐助稲荷ではこの狐もちょっと一般的なものとは違う特徴があります。
ある時、上人が子供にいじめられている子ぎつねを、この佐助稲荷あたりで助けました。
その晩、枕元に白い狐が表れ、「疫病が起こる」と告げたのです。
翌朝枕元には、疫病の薬の元となる種子があったのです。
上人はこの種子を大切に育て、葉から薬を作り多くの人を病から救ったのです。
この事から、佐助稲荷では一対の白狐を供えて願をかけると良いという風習が根付いたのです。
時代は“縁”を求めるように
ところが後に、この「一対」の白狐が“良縁”へと形を変え、
一対の白狐に縁結びのお守りをかける
ことで、より縁が強くなる、良縁祈願する人達が増え、縁結びの神社の一面も現在では持ち合わせているのです。
縁結び祈願、デートコースとして参拝されるケースが多いのでしょう。
実際に何組かのカップル、ご夫婦をお見掛けしました。
ロケ地として脚光を浴びたこともあり、より一層足を運ぶ人たちが増えたのでしょう。
縁結びのお守りのかかった対の白狐を見て「かわいいぃ~」という反応もあったと思いますが。
雰囲気の割には、若い方が供えに来ている光景が多いとの印象があります。
世界から集うスピリチュアルな鎌倉スポット
こうしたご利益や由緒から、鎌倉でも有数なパワースポットとして近年注目を浴びているのです。
京都のお稲荷様にもあるように、赤い鳥居がいくつも連なる光景も相まって、外国人観光客に受けているのでしょう。
また山里に建立されていることもあって、古い木々に囲まれ、一層スピリチュアルな空気があります。
鎌倉駅から徒歩25分。
少し歩くと距離があるのですが、駅周辺の雰囲気から細い道、住宅街と風景が変わっていくので、歩くのも苦になりません。
様々な鎌倉の一面を眺めながら歩けるのは、楽しいものです。
先ほども書きましたが、銭洗弁財天で金運もアップできちゃいます。
里山を歩けるハイキングコースがあるのも魅力の一つです。
大仏ハイキングコースへ続く道は、裏山から入ることができるので、ハイキングの立ち寄りでもいいかもしれませんね。
鎌倉最強の出世・仕事運を誇る佐助稲荷神社。
もともとのご利益である、五穀豊穣、そして縁結びと、非常に興味深い神社でした。
“日本らしい”
人の暮らしと緑が相まった光景と、古来より愛されている信仰心が外国人に受けているのですね。
最後に少し残念だったのが、中国人観光客の姿。
麓にピンクのスーツケースを放置。
持っていくのが面倒だと、ここに置いて行ってしまったのでしょう。
入口ということもあって、写真を撮る人も多いこの場所。
「邪魔」以外の何物でもありませんね。
ちょうど帰る際に彼らに会うことができたので、英語でしたが注意しておきました。
日本に来る中国人の多くは、英語ができます。
「マナーが悪い」と睨みつけるだけではなく、ちゃんと注意してあげることも、彼らの為になります。
振り返ってみれば、日本人も昔はこのような振る舞いを海外でしてきたのですから。
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