これでいい?国立公園に外国人500万人超!



訪日外国人の数が順調に増えているというニュースが連日の様に耳に入ってきます。 


いくつかのカラクリがあるのは、また今度お話しするとして、今回はこんな記事を見つけました。 


国立公園、いかれていますか? 


日本には33か所の国立公園があります。 


2016年9月までは36か所あったのですが、3か所は台湾にあり日本の統治権放棄により消滅しました。 


「国」と言っても、環境省が管理していて、日本の国立公園の約60%が国有地となっています。 



500万人が日本の国立公園を訪れる


2017年2月8日の朝日新聞です。 


「国立公園に訪れた外国人500万人超」 


環境省が調査データを元に推計したところの数値ですが、2016年は複数の公園を訪れた人数を除いた人数が545万7千人に達したと発表しています。 


15年に比べると約11%増。 


今回は重複人数と分けての数値とされています。 


本来であれば、面積やアクセスへのルート数なども考慮した%で数値を出すのが普通ですが、今回は来訪数で出していますね。 


日本独特な“カラクリ”がされています。 


中でも東京都、神奈川県、山梨県、静岡県を跨ぐ「富士箱根伊豆国立公園」に圧倒的な支持が集まりました。 


2番目に北海道の支笏洞爺国立公園。 

3番目に熊本県と大分県の阿蘇くじゅう。


やはり一番多かったのは中国人。  


富士山を含めたゴールデンルートとして、旅行プランの一部に国立公園が入るという異例な事もあって、富士箱根伊豆国立公園に155万人もの中国人が訪れました。  


環境省は20年までに1千万人の国立公園来訪を目指しています。  


8か所でガイド付きツアー、カフェや宿泊施設の誘致を進めるとしています。 


日本での国立公園



日本における国立公園とは、自然公園法に基づき、日本を代表する自然の風景地を保護し利用を促進するもので、国定公園は都道府県に管理を委託するのに対して、国自らが管理しています。  


世界各国では主に「保護地区」として、国立公園内で何かをするにもすべて届け出が必要になります。 


世界における「自然のシンボル」として非常に厳しい保護体制が布かれます。  


日本では大きく4つの区分に分けられます。  


  • 制限は最小限で、基準を超える工作物の建築、広告の表示、土石の採取、地形の変更などには届出が必要となる「普通地域」。 
  • 普通地域で届出が必要な行為に加え、指定動植物の採取や損傷、建物の色の塗り替え、自動車や船の乗り入れなどに「許可」が必要になる。また、本来の生息地でない動物を放すこと、本来の生育地でない植物を植栽したり、その種子をまくことにも「許可」が必要になる「特別地域」。
  • 特別地域内でも特に重要とされ、実質的に「禁止」行為が加えられ、地域では盗掘を防ぐため、植生などのマップの公開を禁止される場合や立ち入りが一部禁止される場合もある「特別保護地区」。 
  • そして海域の地形や生物の景観の優れた場所で、指定動植物の採取、地形変更、汚水の排出などに許可が必要な「海域公園地区」。 


国立公園はその国の法律によって、その地域の自然や景観の保護を目的とするものであって、観光客を誘致したり、観光地とする事を目的としていません。  


国立公園を政府が運営しなくてはいけない理由はありませんが、国際的な基準として国が管理することが多いです。 


もちろん日本でも自然公園法に基づき、観光地とすることを目的としていません。 


公園内を歩ける場所には木道整備や歩道整備を行い、集団施設地区を指定し、定められた地区以外に建築物の設置を認めていません。  


公園内の特別保護地区との規制とメリハリをつけ、国立公園の保護と利用の調整が行われています。 


ところが、これらを観光資源都市、公園地区外に宿泊施設や広大な駐車場整備などを行い、多くの人を呼び込もうとPR合戦が行われているのが実際です。  


事実上公園の境界線を一歩でも出ていれば、何をしても良いと都合のいい理解を盾に、ギリギリの開発をしている場所が多いのが日本です。 


(ちなみに、考えもせず無法地帯となっている国もあります) 


そのため、地自体で特別に規制を設けて保護に力を入れている地区もあります。  


例えば支笏洞爺国立公園の一部、丸駒温泉。 支笏湖温泉街から距離もあり、電力会社の電気が届いていません。 


そこで自らの、自家発電が必要となります。  


しかし、エンジンでの発電では、油などの化石燃料が必要となり、二酸化炭素の排出と共に、酸性雨の元になるイオン酸化物を出してしまいます。


それらは公園の樹木へダメージを与えてしまいます。 


そこで発電機の廃熱を利用して温水と熱交換の仕組みを考える事によって燃料消費を減らす取り組みがされています。 


加えてLED照明による、電力消費量削減にも取り組み、通常の4割減を目指しています。 




他にも、世界自然遺産登録地区でもある「屋久島」。


登山や多くの動物たちに巡り合うことのできる「大雪山」。 


それぞれ自発的に自然環境への配慮を多くの人に求め、呼びかけをしています。 


守るために進むことの大切さ


元々観光地とは無縁のはずの国立公園。 


エコツーリズムの登場により、どこの国でも国立公園を観光素材とする考え方が確立されました。 


ところがここで各国の国立公園に対する考え方が明確に現れ始めたんです。 


国立公園だからこそ、「守るところは守る」! 


ただし「守るための開発は進める」。 


そんなスタンスもこれからの時代はありなのかもしれませんね。 


また、日本の場合、鹿の食害やイノシシによる荒らし、そして人による破壊が後を絶ちません。 


国立公園という「理解」を進める使命も追っていかなくてはいけませんね。 


「国立公園満喫プロジェクト」なるものがあります。 


これは日本の格を下げる考え方でしかないのに・・・心配です。 



そんな国立公園ですが、世界的な保護レベルを誇るニュージーランドとオーストラリアに精通しているのが観光コンサルタント石田宜久です。 


オーストラリアにて、国立公園調査チームに同行した経験もあり、「保護と観光」に詳しい観光専門家です。 


DiTHiでは、日本を代表する観光地に選ばれているコンサルタントを派遣。  


地域間競争が激化するこれからの時代、あなたの地域は大丈夫ですか?



  

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