今日朝一でこんなニュースがありました。
私個人的にもうれしいので、取り上げました!
日本一の秘境駅、町の支援で存続へ JR小幌駅(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151015-00000016-asahi-soci
『日本一の秘境駅 小幌駅』
は、その老朽化と極端に利用者の少ない駅として廃止が示唆されていた駅なんです。
周辺に民家はありませんし、実質、外部から駅に行くことができないとされています。
それに加え、野生動物の出没、クマも出る獣道が藪と森林に囲まれているので、非常に危険な状態となっているのです。
そのため、鉄道ファンが秘境駅を見に訪れるほか、まれに山菜取りの方が利用する程度。
そんな駅なのですが、管理費は年間150万円、補修や建て替えでもしようものなら何千万円というお金がかかってしまいます。
JR北海道が下した「廃止」という決断は、当初は妥当と考えられました。
ところが次々と「残すのも手では」との声が。
それは2009年に、糸魚川や島原半島と共に日本で初めて認定された、「洞爺湖有珠山ジオパーク」の存在。
江戸時代初期に行脚僧の円空上人が作ったと伝わる岩屋観音(首無し観音)が祀られているスポットが、ジオパーク内の「ジオスポット」に指定。
実は小幌駅が、その岩屋観音への事実上唯一のアクセス手段なのです。
また、人の手がほとんど入っていない噴火湾沿岸の大自然と、縄文時代から続く人間の営みを、列車で手軽にアクセスできるジオサイトとしても、非常に貴重な駅となっているわけです。
もちろん、周辺環境が環境なだけに、向かうには十分な登山装備が必要となりますので、簡単に行けるというわけではありません。
そんな小幌駅。
「多額の維持管理費と、収益の問題。そして何よりも安全第一の鉄道会社としては老朽化の問題を見て見ぬふりをするわけにはいかない」JRの考え。
「ジオパークの存在と、スポットへ向かうためには唯一の交通手段であり、北海道に新幹線が伸びることで、観光振興の材料になる」と考える自治体と住民。
観光コンサルタントとしても、両者の意見が100%正解なだけに、非常に興味のある話題へとなっていたわけです。
そこで今回のニュースにつながったわけです。
実際に、自治体が駅の維持管理を行いながら残っている駅の事例はあり、この方法が有力と考えられていたのです。
しかし、当然ながら自治体側には、駅運営のノウハウは無いばかりか、その費用は税金になります。
住民を説得するための十分な材料が自治体にはなかったのです。
そのうえ、もし自治体管理になった際、老朽化による安全性の問題は自治体の課題となるわけです。
観光素材として使うというのであれば、なおさら安全面と老朽化対策に関する費用が加えられることに。
利用者は少ないとはいえ、貨物列車や特急列車が通過しているのですから。
また凍結や雪の問題がある土地柄、駅に降り立つ事自体が危険を伴う現状をどのように攻略するか、その方法はまったく見えていません。
自治体がどれだけ駅の運営が可能なのか不透明な部分が多いので、JRも十分に情報提供をして、連携を図ってほしいですね。
地域振興に少しでも役に立てばうれしいことですが、何よりも安全第一が大前提。
その道のプロであるJRの意見とも、十分にすり合わせて、支援可能な期間一杯時間を使って協議してほしいですね。
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