2015年
日本を訪れた外国人は1973万人。
言わずも知れた、過去最多の人数になりました。
政府が掲げる2020年に2000万人という目標に早くも迫った結果になりました。
とは言ったものの、
円安
ビザ発給条件の緩和
格安航空の国内普及
などの条件がそろい、これまで日本旅行に二の足を踏んでいた外国人が一斉に訪日した事が原因でもあります。
問題はこの傾向は期間限定であること。
さらに付け加えれば、世界の観光客数が増加した年でもあるので、人数が増えたのは必然的であるとも言えます。
定着させるには、課題に次ぐ課題を攻略する必要があると観光コンサルタント石田宜久は力説しています。
以前より石田コンサルタントが説いている
「観光立国のためには、観光人数ではなく収入・利益を重視すべき」
を、改めてここで論する必要があります。
日本は観光誘致に
治安の良さ
交通機関の正確さ
インフラ整備の行き届いた環境
そして「おもてなし」
を強調していますが、これだけでは観光客は集まりません。
むしろこれは世界に誇れる長所であり、優位性ではありません。
他にもこれらがそろった国・地域はあります。
観光の仕組みが基本に沿っていない日本の観光状況では、一時的なものと考えるのが世界的な見方であります。
実際に世界の観光業でコンサルティングを実施しているDiTHiには、日本の観光に対する企画についての案件を多く問い合わされています。
日本国内で企画されたものの利用を検討したり、深い関心は無いと定言されています。
そもそも、日本人はこれまで、
「外国に出かけることには熱心」
だったが、
「外国人を迎え入れる」
という発想には希薄だったと言えます。
その証拠に日本観光におけるキャッチコピーをご存知でしょうか?
2003年に発足された「ビジット・ジャパン・キャンペーン」による
「YOKOSO JAPAN - Japan Endless Discoverly」
まで定まったキャッチコピーはありませんでした。
日本人が特に好きなハワイ
「トリスを飲んでハワイへ行こう」
は、1961年ごろに使われていたもの。
いかに日本が観光に対して無関心だったかお分かりいただけるでしょう。
2000年以降、ようやく観光に目を向け始めたのが、日本の観光産業なのです。
なのにも関わらず、取り組み方が情緒的で、観光を産業としてとらえる視点は明らかに欠けています。
明治時代、日本が工業生産で先進国入りしたのは、政府が大学や官庁に外国人を招へいし、最新の知識や技術、制度を学び。
積極的に日本人を海外に派遣し近代国家の礎を学ばせてきました。
観光に関してははまったくその傾向は無いまま。
日本は観光においては、後進国である自覚を謙虚に受け止めるべきです。
基礎が成り立っていない現状で、先進国の真似事をしてもうまくいくわけがありません。
経済成長につながる「観光立国」を目指すならば、まずは謙虚さを改める必要性があります。
実際に外国人による日本の観光産業進出は進んでいます。
観光コンサルタント石田宜久自身、観光先進国であるオーストラリアで修士を得て、経験を積んできています。
そのもとには外国人顧客が多数おり、世界専門家ネットワークであるGLGカンセラーメンバーに選出されています。
“商売”として観光の知識も経験もない、ましてや他分野から参入している名ばかり観光従事者を称える場合ではありません。
観光をよく知り、観光における経験を持つ、人間の有効活用と知識を借りることが今求められている事ではないのでしょうか?
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