オリンピック競技の正式種目へあと一歩となったクライミング競技。
競技として見てみると、壁に付いた突起物を頼りに壁を登り、頂上に着いたものが大会を制す競技としても一面をよく目にするかもしれません。
実際には競技としてはそれが正解。
どれだけ高く、早く、そして少ない回数でその壁を制するか?
ルールとしては単純明快です。
しかし観光コンサルタントとしてクライミングを一つの観光素材としてお勧めしているわけです。
そんな競技ばかりの目線でお話ししているわけではありません。
「そんな岩、この街にはないですよぉ」
「ジムを作っても、今や珍しいものではないですからね」
なんて、おっしゃる担当者さんばかりです。
いえいえ。
世界は進んでいます!
クライミングはただ壁や岩を登るだけではありません。
工夫を凝らせばとんでもない光景を生み出すことだってあるんです。
それが例え、人口の壁でも。。。
クライミングと一言で言っても、その形は様々。
競技的な要素を除けば、ホールドと呼ばれる手掛りがあれば、登ることができます。
最近ではそれを一つのアート的な捉え方をする発想も生まれています。
さすが!
それは日本にあるんです。
ILLOIHA OMOTESANDO(日本)
フィットネスジムとして表参道に誕生したのがこの不思議なクライミング壁。
「表参道でクライミング」
これを表現するためには、アウトドア的な印象の強い無骨なクライミングウォールではいまいちだと考えられたのでしょう。
インテリア的な要素である、額や鏡、花瓶は鳥かごと言った、これまでの競技クライミングには無かった試みがここにはあるのです。
そう、まるで「不思議の国のアリス」を体験できるかのような空間になっているわけですね。
私、石田宜久自身、クライマーとしてこの壁を考えるに、掴む位置が見つけにくかったり、競技的なホールドよりもはるかに指のひっかけに工夫が必要になるなと感じます。
壁としても実は高難易度なのではないかと・・・
これまでこの競技になじみのない人への興味のキッカケとなったり、より身近で新しいフィットネスのスタイルになれば面白いと思う
と、ジムのデザイナーさんはおっしゃいます。
しかし、残念なお知らせが。
私も取材を試みたのですが、調べれば調べるほど、閉店のお知らせが。。。
実はジム自体はすでに閉店され、このクライミングウォールを目にする事が叶わないのです!
企画としては非常に面白いだけに、もう少し早くクライミングが世間に認知されていればと、悔いが残るばかりですね。
ただし、クライミングというのは競技の一面だけではなく、このように人を不思議な空間に誘ってくれる可能性をも秘めているのだと、観光コンサルタント石田宜久は思うのです。
St Benedict’s church(イギリス)
こんな場所で?を探してみれば、イギリスにはこんな場所がクライミングスポットになっていました。
それが
教会
マンチェスターのSt Benedict’s churchでは、教会の壁をクライミングできるのです!
世界的に見ても、おそらくここだけの、オンリーワンスポットではないでしょうか。
外見からも見てわかる通り、そのまま教会だった場所を、クライミングジムとしてリニューアルしました。
イギリスでは当たり前の教会です。
高さ20mのロープ壁がすっぽり収まってしまうほど!
他にもボルダリングエリアやミーティングルーム、カフェにショップも入っています。
教会としては、もともとから相当な規模だったのでしょう。
自動に落下を止めてくれるオートビレイ機が完備。
ロープクライミングが初めての人でも大丈夫ですね。
と、言うのも、この施設。
MOUNTAIN EQUIPMENT
summit financial services
NICAS
BMC
ola-autodoor industries association
association of British climbing walls
adventure activities licensing authority
といった、イギリス、ヨーロッパ圏では有名なアウトドア関係のスポンサーがたくさんついているんです。
そう。
私が観光コンサルタントとして、クライミングを観光素材に、新しい発想の一つとしてクライミングをお勧めしたい根源はここにあるのです。
古くなった、人が来なくなってしまった建築物でも、人に長く愛されてきた場所というのはあるものです。
特に日本の地方と呼ばれる地域には多く存在します。
それらをどうにか救う手がないのだろうか?
都市部では無残にも取り壊しが当たり前になっていますが、まだ残せるものはあります。
そんな救いの手は、実際に世界ではすでに差し伸べられていて、その一つにクライミングスポットとして生まれ変わっている事例がいくつもあるのです。
ただブームだからとか、流行りだからとかそんな理由ではありません。
実際に世界ではこうした活用法が実践されているのです。
私、石田宜久がクライミングを観光に取り入れようとしているのは、
「残せるものの『活用法』探し」です。
もちろん安全面や強度面などの条件があるので、十分に施工御者との密な打ち合わせが必要です。
しかし、あきらめる前に一回考えてみる価値はあるのではないでしょうか?
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